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今日は、トヨとエリスの交際が始まり、母の死を知らせる手紙を受け取るまでの導入。
漢字小テスト、第4段落のまとめの回収、学習プリントの点検、読みの確認、意味の確認、音読、舞姫チェックの解答と解説をするだけで時間が来た。
驚いたのは、回収した第4段落のまとめの感想。
僕がエリスを魔性の女だと授業すると、みんなそう思い込んでいる。
一人ぐらい、そうじゃないという生徒がいてもいいのに。
まぁ、自分の頭で考えて納得してくれての感想ならいいのだが、
「先生がそう言ったから」なら、教育の力は恐ろしい。
僕は批判的に読もうとしているのだが、その批判を無批判受け入れられるのは、大きな問題だ。
第4段落の最後。
前回、エリスは悪女ではないかという疑いを抱いたのだが、その証拠が今日明らかになる。
エリスが家に帰ると母は戸を荒々しく閉めるが、エリスとの短い会話の後、手の平を返したように慇懃になる。
娘をも売り飛ばそうという母を短時間で説得するには「金」の話以外にない。
エリスは母に、「豊太郎が金を貸してくれる」と言ったに違いない。
勿論、豊太郎はそんなことは一言も言っていない。
さらに、エリスの「人には否とは言わせぬ目の媚態」。この目を「知りてするにや、知らぬにや」と書いている時点で、明らかにエリスを疑っている。
エリスは魔性の眼差しで豊太郎から大金を巻き上げたのである。
もっとも、豊太郎にも同じく父を亡くした同情もあったろう。
「舞姫チェック」の項目に、エリスの媚態を「MUGON 色っぽい」と書いた。そして、工藤静香の曲を流した。
さらに、「舞姫」のテーマソング、玉置宏二の「青い瞳のエリス」を流した。
大ウケだった。
授業の詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/maihime03.htm
前回の謎は、「なぜ、豊太郎は少女に声をかけたか?」であった。
今回の謎は、「なぜ、少女は教会の前で泣いていたのか?」である。
この「なぜ」には2つの問いがある。
1つは、なぜ泣いていたのか。
もう1つは、なぜ教会の前なのか。
1つ目は、父親の葬式代がない以前に、父が死んで悲しかったからというのが人間であろう。
しかも、むごい母から守ってくれた父の死は、たいへん大きい。
その父の葬式も出せないのだから、悲しみも大きいだろう。
葬式を出すためには、座頭に身を売らなければならない。母も賛成している。
どうしようもない状況だ。
これは少し考えれば分かる。
問題は2つ目の問いだ。
教会は家の向かいにあって近い。
教会は人を救ってくれる所である。精神的だけでなく物質的にも救ってくれるかもしれない。
だから教会の前というのも考えられる。
しかし、人通りが多く、豊太郎も「ここは往来あるに」と言っている。
なぜ、わざわざ人通りの多い所で泣いているのか。
ひょっとしたら、誰か助けてくれる人を待っていたのではないか。
悪い言えば、カモを探していたのではないか。
こんな読み方をすれば、超美少女も、いいタマになる。
こんなひねくれた読み方をするには、明確な根拠がある。
それは、次回。
授業の詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/maihime03.htm
第4段落。いよいよ舞姫登場。
「舞姫」の中でも最も美しい場面です。
教会の前ですすり泣いている、絵にも描けない超美少女に、「憐憫の情」に打ち勝たれて大胆にも声をかけた豊太郎。
でも、待てよ。
「憐憫の情」って何に対して?
父親が死んで、葬式代がないことを聞いてかわいそうになった。
でも、話を聞いたのは声をかけてから。話の順序が逆ではないでしょうか。
では、なぜ豊太郎は少女に声をかけたのか?
それは、少女の魔性の目に引きつけられたからではないでしょうか。
「青く」「清らで」「もの問いたげに」「愁いを含んだ」、そんな「目」で見つめられたからではないだろうか。
いわば、一目惚れ。
それに、自我に目覚め、そのおかげで地位が危うくなっていて、心が不安定だった。
それに、夕暮れ時の300年前の古寺の前で、「恍惚」としていた。
エリスと「離れ難い仲」になったのも「恍惚」としていた時。
「恍惚」は、「舞姫」の一つのキーワードです。
授業の詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/maihime03.htm
その前に、ここで、自我に目覚めたトヨの心理テストをしよう。
エゴグラムの質問項目を6割に減らして、豊太郎になって答えさせた。
予想通り、W型のエゴグラムになりました。父親と大人といい子の高いエゴグラムです。
これで、父のような母に育てられたトヨの性格が理解してもらえたか。
これから、トヨが大きく変化するたびにエゴグラムを取りたいと思います。
で、第4段落は、エリスが登場する前の設定の確認。
自我に目覚め、地位が危うくなり、精神的に不安定な豊太郎。
夕暮れの300年前の古寺の前で恍惚とする豊太郎。
エリスとの出会いのシチュエーションは揃った。
授業の詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/maihime03.htm