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何とか豊太郎と別れさせようとして、相沢が伝えた真実。
その大きさは相沢の想像を絶するものであった。
発狂するが、発狂しても赤ん坊のことと豊太郎の看病を忘れないエリス。
哀れを感じるが、エリスの中では幸せな時のまま止まっているのだろう。
そんなエリスを抱きしめて涙する豊太郎。なんて奴だ。ツキまくっている。
もしエリスが正気だったら、指一本触れることができなかったはず。
そんなエリスを残して帰国する豊太郎の心の中に、
罪悪感だけではなく、安堵感もなかったとは言わせない。
しかも、相沢を恨む心を今も持ち続けている。
えーとこどりの、無責任野郎だ。
最後に生徒に聞いてみた。究極の選択。
発狂するが流産しないのと、
流産するが発狂しないのとでは、どちらの結末が、
エリスにとっては、豊太郎にとってはましか。
この設定は、映画の影響がある。
生徒の反応は、エリス・豊太郎ともに半々であった。
エリスにとっては、発狂すれば人生は棒にするが幸せな思い出の中で過ごせる、
流産すれば豊太郎への恨みは残るが人生をやり直せる。
豊太郎にとっては、発狂すれば抵抗なく帰国できるが帰国してから心残り、
流産すれば帰国でトラブルが帰国してからは後腐れがない。
鴎外にとっては流産は想定外だが、発狂の結末の真意は?
ということで、授業はまだ続く。
授業の詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/maihime03.htm
ついに第10段落。
豊太郎が大臣の元へ来ない日が3、4日続いたのだろうか。相沢が様子を見に来た。
嫌な予感はしていただろう。ドンピシャ。
なんと豊太郎の枕元にエリスと思しき美少女がいる。しかも、妊娠している。
相沢は目眩がしたろう。
豊太郎を恨んだろう。
己の詰めの甘さを悔やんだだろう。
豊太郎が帰国できないのは仕方ないが、自分の身分まで危うくなってきた。
しかし、そこは相沢。冷静に次の策を打つ。
まずは大臣には病気のことだけを報告。
そして、エリスに別れさせる算段。
それが、真実を伝えること。
エリスと別れるという約束、帰国するという承諾。
でも、それを聞いてエリスが別れると思っただろうか。
映画のように、慰謝料を突きつける方が現実的。
女心がわからないのは豊太郎と同じ。
授業の詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/maihime03.htm
大臣の帰国の勧めに、即座にOKする豊太郎。
今回は、相沢にエリスと別れると約束した時とも、
大臣にロシア行きを承諾した時とも違う。
明らかに、自分の意志で、確信をもっての返答である。
エリスの愛を捨てて、帰国と出世を選んだのである。
もっとも、ここまで世話をしてくれた相沢の信用を傷つけないためでもある。
しかし、そうしておいてまた苦悩する豊太郎。
帰ってエリスになんて言おう。
ガキか?
雪降る深夜を徘徊して、家にたどり着くと同時に倒れてしまう。
さて、ここで、問題です。
もし倒れなかったとしたら、豊太郎にはどんな可能性があったでしょうか。
生徒にグループで考えさせました。
エリスに話せば、エリスの逆鱗に触れ、帰国をあきらめざるを得ないだろう。
トヨは自業自得だが、相沢はどうなる?
出発まで黙っていることは、小心者のトヨにできるだろうか。
金で解決できるエリスでもない。
ということは、倒れるしかなかったのです。
ベストの対応でした。
トヨの得意の、先延ばしです。
一つ、生徒から妙案が出ました。
エリスに嫌われるように振る舞うこと。
でも、八方美人のトヨには、高いハードルでしょう。
授業の詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/maihime03.htm
2年生の研修旅行で時間割変更、2時間連続なので、1時間は「舞姫」の映画を見せる。
「舞姫」の映画といえば、ひろみ郷のアレだ。
ベルリンの壁がまだあった頃なので、20年前の映画。
これをちょうど50分に編集した。これを10年以上使っている。
なんとなくひろみ郷かも?と思っている時にアップになって、まずどよめき。
そして、疾走するエリスが登場して失笑。
ひろみ郷はいいとして、エリスはミスキャスト。あれだけ逞しくては。
森「舞姫」と篠田「舞姫」は随所で異なる。
最大の違いは、ラストの展開。
発狂するが胎児は無事か、流産するが正気でトヨを全力で追走するか。
母が死ぬか、自殺未遂か。
1時間目に見せて、2時間目の初めに、フィードバックタイムで、違いを2人組で振り返る。
それを全体で吸い上げて、「オー、そんな細かいところまで見ている人がいたのか」と。
そして、また感想を述べ合う。今回も盛り上がりました。
そして、第9段落に。
授業の詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/maihime03.htm
第8段落、ラスト。
ロシア帰りの豊太郎。
エリスに会うまでは、出世&帰国で頭が一杯だったのに、
エリスを一目見るなり、恋愛100%。
どうやら豊太郎はその前の物に影響されやすい。
まるでパブロフの犬状態。
この先、相沢や大臣に会えば、出世&帰国に傾くのは容易に予想できる。
エリスもエリスで、豊太郎にいきなり襁褓攻撃。
そして、まさか認知しないわけじゃないでしょうね、と厳しく迫る。
そして、また涙、涙、涙。
この連続攻撃はきつい。
普通なら引いてしまうところだか、豊太郎には案外効いたりして。
授業の詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/maihime03.htm