その先生の代わりに、特任教授にならないかというお誘いであった。
正直、天にも昇る気持ちでした。
ぼくの夢の1つです。
特任教授とは、必ずしも修士でなくても、実績があって教授会の承認があればなれるらしい。
しかし、年収は今の半分以下。
年齢も50代後半。
これはキツイ。
1.2馬力、子どもは小さい。
お金が要る時期に年収が半減するのは致命的。
あと5年先なら。
それにしても、僕の実績を認めてくださる方がいらっしゃって、声をかけていただけるということだけでも、至上の喜びです。
自信が沸いてきました。
ありがとうございます。
発表の続き。時間があったので、リクレーションをする。
「みんなでジャンケン」と「コイン回し」。
生徒はイキイキと動いてくれました。
詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/soudan/jikokeisei.html
ホントの最終回。
恒例の「舞姫ワルモノ探し」
豊太郎、エリス、相沢、大臣、豊太郎の母、エリスの母、留学生
の7人の登場人物を、悪いと思う順番に番号を付ける。
最初は個人作業で行い、7人グループで合意して順位を決める。
いわゆる正解のないタイプのコンセンサスゲームです。
ただ、一つ仕掛けがあります。
一人ずつ誰かの弁護役になります。
ことえ自分が一番悪いと思っていても、その人物の弁護役になれば、なんとか順位を下げるように努力しなければなりません。
これは弁護士と同じです。
(母胎復帰なんて「しょうがない」ことしか考えられない弁護士と同じです)
結果的には、どのグループも豊太郎が一番、留学生が2番になりました。
このゲームによって、留学生以外は弁護の余地がある。
お互いがやむを得ない状況の中で動いていたことを理解させる。
いい締めくくりになった。
授業の詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/maihime03.htm
太田豊太郎と森鴎外を異同を考え、「舞姫」執筆の意図に迫るダイナミックな授業。
実妹の小金井喜美子の文章を読んで、エリスが実在した共学の事実を知る。
しかし、実在のエリスは鴎外を追って来日するぐらいだから、妊娠も発狂もしていない。
しかも、母親は死んでおらず、エリスを追い返すために獅子奮迅の大活躍。
エリスを追い返した直後に、政略結婚をさせられる。
そして、結婚後に「舞姫」を発表。
そして、離婚している。
ということは、「舞姫」は離婚するために書いたのか?母への当てつけか?
話が低次元になってしまう。
母への恨みつらみを書くなら、母親が生きていて、エリスとの仲を引き裂く方が効果的。
それに、相沢への人知れぬ恨みも気になる。
相沢個人に怨嗟をぶつけても何の効果もないことぐらい、鴎外はわかっている。
とするなら、相沢個人でなく、相沢に代表される、出世を第一とする国家官僚システムへの抗議ではないか。
実際、鴎外は自分の墓に「大正」という年号を刻ませなかったし、
子どもには、オットーだの、フリッツだの、アンヌだの、西洋人の名前を付けている。
つまり、鴎外は大の日本嫌いだったのだ。
エリスを妊娠させ発狂させ捨てたように誇張して書いたのも、出世が愛をいかに凌辱するかを描くためではなかったか。
「舞姫」いいですね。
鴎外、気骨がありますね。
さすが、面食いです。
授業の詳細は、http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/maihime03.htm
毎月通っている糖尿病の診療所がある。
とてもいいお医者さんで、全幅の信頼をおいている。
その待合室で、携帯で大声で喋っている30過ぎの作業着姿の男。
最初は向こうから掛かってきたので、大声で喋ったり笑ったりするのをイライラしながら我慢していた。
ところが、今度はその男が自分から電話をかけて、例の大声で話し始めた。
「オイ、外でかけてもらえませんか?」と思わず言ってしまった。
すると、その男、「オイとは誰に向かって言うとるんじゃ」とくってかかってきた。
「オイ」呼ばわりされたことが頭に来たらしい。
自分のしていることを棚に上げて、そこから攻めてくるか?
世の中には、訳のわからん奴がいる。
生徒と同じ。でも、こいつは生徒じゃないから言ってもわからない。
こんな大人は放置しておくしかないのか。
そういえば、うちの父親は、こういう場面で注意していた。
子ども心に関わりたくないと思っていた。
これも、「血」なのだろうか。
それでも、最近、自重気味になっていたのだが。
好きな場所だから余計に血が騒いだのかもしれない。
ただ、少し自省すると、
教師だから、いつも生徒を注意するように「オイ」と呼びかける。
これは世の中では通用しないのだろうか?