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教育の職人のぶさんの、国語教育とカウンセリング(公認心理師)、グループワークとキャリア教育、長年鍛えた職人技をお目にかけます。
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このフレーズは一度言ってみたかった。
妻子のことを依頼した後、李徴は再び自嘲する。
ジチョウのジジョウだ。
妻子よりも詩を優先したことに気づく。
1回目の自嘲も、詩の伝録を依頼した後だった。
「依頼→自嘲」というのが、パターンになっている。
その2回目の依頼も考えてみれば自分勝手だ。
「妻子には死んだと伝えてくれ」
それは、妻子に心配させないためと言うのもあるが、
まだ、妻子に自分が虎に落ちぶれたことを知られたくないと言う
自尊心が見え隠れしている。
この期に及んでも、李徴は人間を捨てられないでもがいている。
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「山月記」のヤマ場。
「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」。
いかに教えるか。
今回は数学で教えました。
①「詩によって名を成そう」
②「進んで師に就いたり~努めたりすることをしなかった」
③「俗物の間に伍することを潔しとしなかった」
④「己の珠にあらざることをおそれる」
⑤「あえて刻苦して磨こうともせず」
⑥「己の珠なるべきを半ば信じる」
⑦「碌々として瓦に伍することもできなかった」

「臆病=マイナスの態度」
「尊大=プラスの態度」
「羞恥心=マイナスの心理」
「自尊心=プラスの心理」
に分類する。
それを繋ぐのか
「ながら=逆接」
「かといって=逆接」
「ゆえに=順接」
である。
これらをもとに論理的につなげていくのが今回の作業。
だから、数学。
あとは、昨日野口先生に教わったように、
①~⑦に線を引かせて、
〇オク、〇ソン、〇シュウ、〇ジを書くように指示。
まだの生徒を確認して催促。
どう分類したかを挙手させて聞く。
正解を解説し、
何人正解したかを聞く。
およそ、国語の授業ではない。
チャレンジです。
でも、これで生徒が理解してくれたら、御の字です。
その後、質疑があった。
・授業は計算して組織しなければならない。思いがけない質問に答えられないことが続くと授業は壊れる。だから、深い教材研究を。
・発問は短く、雑物は捨てる。
・ノートは発想の基地。
・読書感想文は本について書く。読む前の自分と読んだ後の自分の変化を書く読後作文、読者作文へ。
・音読指導は基礎の基礎。下手な子には個別指導で自信をつけさせる。または授業中に「めんどり読み」で、下手な子を教師の周りに集めて読ませる。
・学校で取り組むには講師にプロを呼ばない。教室音読というジャンルの確立。
・作文指導は、「多作」「楽作」。できるだけ多く書かせる。教師は時間をかけて添削をしない。「読む」のでなく「見る」、そしてほめる。個々の間違いは一々訂正しない。授業で全体に指導する。「楽作」は、なりきり作文とか「もしも作文」など楽しい題材で。

教師も、その時その時を精一杯授業する。それが教師の成長になる。

研修会後、懇親会にも参加してくださった。
新幹線の時間があって短い時間だったが、サインしてもらったり、
聞きたかったことを質問したりした。

「学び合い」との関係。
「学び合い」といえども教えないことはないはず。

元気の秘密は、寝ること。

73歳とは信じられないバイタリティー。
気さくで、感覚が新鮮。
ユーモアも流行ではない。
ほんとうに凄い先生でした。
2講目は、俳句の授業でした。
俳句は2句ありました。
2句目は、
「背より抱き ともに螢火 見てゐたり」
見ているのは誰と誰か。親子か恋人か。
僕は親子派でした。
「ゐたり」は座っている状態で、座っている人を背後から抱くのは母親だと思ったからです。
しかし、子どもは長時間じっとしていられないので、恋人だという説明があった。
僕はまだ納得できなかったので、親子に再度手を挙げた。
しかし、「無言かどうか」という発問で納得できました。
当然この場面は無言。親子なら、母が子に「きれいだね」とか必ず話し掛けるはず。
鋭い発問でした。句の中に根拠はありませんが、状況として当然検証しなければならない。

先生はこの句で授業すること昨夜決めて、授業を組み立てられた。
そして、この問い。凄い。

このように、読解は正確に文脈を整理する。
鑑賞は、正しい読解の上に成り立つ。ただし、何でもありではない。


待ちに待った野口先生の模擬授業です。
京都橘大学の明日の教室のスペシャルメニューです。
模擬授業は2本ありました。
幸運なことに、生徒として授業を受けました。

1講目は、先生が初めて模擬授業された「うとてとこ」です。
谷川俊太郎の詩を、全体を示さずに次を予測させる「絵巻方式」で展開されました。
授業の随所に「鍛える授業」のエッセンスが散りばめられていて、
その都度解説されると言うスタイルで、まさに「立体授業解説」です。
授業は、「期待」と「緊張」と「適度の恐怖」の連続で、「向上的な変容」の保障を実現します。

例えは、音読させるにも、「最高の読み方をしなさい」と目当てを明確にして指示します。
聞いている人は、「〇」か「×」かノートに書きます。「△」はありません。白黒をはっきりさせます。
先生は「まだ書けない人」と問います。手を挙げると、「早く書きなさい」と強制します。
そして、どちらかに手を挙げさせます。手を挙げない人がいると、厳しく問い詰めます。
手を挙げた人には、根拠が言える人は手を握らせます。握るまで手を挙げさせ続けます。
「×」に手を挙げた人には正しいと思う読み方をさせます。
授業を受けていて、確かに緊張しました。それは快い緊張でした。

また、次の展開を「文脈推理」させます。
頭の中にあるものを形にするために、答えをノートに書かせます。
先生は机間巡視をして、分類し、指名する人を決めます。
間違っている人を指名して発表させます。そこに、ドラマが生まれます。
しかし、間違った人に恥をかかせません。
間違ったことをほめます。
「わからなさの自覚」を大切にします。
答えは、文脈の中から「整合」していきます。

このように「 」付きの言葉、「学習用語」をしっかり教えることによって確かな読解力を身につけていきます。


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