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教育の職人のぶさんの、国語教育とカウンセリングとグループワークとキャリア教育、長年鍛えた職人技をお目にかけます。
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エリスとの出会いをクリティカルシンキング。
Q1 なぜ、豊太郎はエリスに声をかけたのか?
Q2 なぜ、エリスは教会の前で泣いていたのか?
Q3 なぜ、母の態度が急変したのか?
Q4 なぜ、豊太郎はエリスに金を貸したのか?
この4つの疑問について、4人チームで考えさせた。課題は、4つの答えが矛盾なく結びつくような答えを考えること。
さすが、普通クラスでは話し合いが進行せず、無為な15分間だった。しかし、進学クラスでは、大いに盛り上がった。こっちが用意していたポイントをズバズバ突いていた。頭の差というより意欲の差が如実に表れていた。本質的な「学び合い」が成立する場面手あるが、それを成立させるには、生徒の意欲が必須である。

Q1
本文には「憐憫の情」にかられてとある。
でも、泣いているだけで「憐憫」は起こらない。「憐憫」が起こるのは少女が父の葬式代がないと言ってからだろう。だから、「憐憫」は時間的に考えて成立しない。
ではなぜ声をかけたのか。それは「一目惚れ」である。本文にも、なぜに一顧しただけで自分の心に入り込んできたのかとある。
では、なぜ一目惚れしたのか。それはエリスが超美少女だったこともあるが、豊太郎が自我に目覚めていたこと、地位が危うく精神的に不安定だったこと、古い教会の前で恍惚としていたことが挙げられる。

Q2
問題は、なぜ泣いていたのかではなく、なぜ教会の前なのかである。
教会は困った人を救済する場所であり、しかも、エリスの家の筋向かいに合った。教会の営業時間が過ぎて、門が閉まっていたと考えることもできる。
しかし、豊太郎ですら何度も訪れる人気スポットで、人通りが多い。そんな所で泣いていては目立って仕方がない。しかも、16、7歳の分別のある少女が、いくら悲観にくれるといっても、こんな所では泣かないだろう。
なのになぜ?端的に言えば、声をかけてくれる、助けてくれる人を待っていたのだ。
初対面の、黄色人種で、当時は後進国だった日本人に、「君は善き人なりと見ゆ」なんて言うだろうか。リップサービス、キャッチセールスの常套句ではないか。

Q3
エリスを悪く言うのは、この疑問から。
態度が急変する原因は、エリスとの口論の内容である。金のためには娘でも座頭の愛人にしようとする母親を、短い時間で説得するために、エリスは母に何と言ったか。 ズバリ、「この人が金を貸してくれる」である。しかし、豊太郎は「力を貸す」と言ったが、「金を貸す」とは一言も言っていない。
つまり、エリスは豊太郎から金を借りる目的で、自分の家まで連れてきたのである。

Q4
一つは、父を早くに亡くした豊太郎が、同じく父を亡くしたエリスに同情した。
でも、気になるのは、「人には否とは言わせぬ媚態」である。エリスの魔性の目で見つめられたら、男はノーと言えない小悪魔の目である。
しかも、「この目の働きは知りてするにや、知らぬにや」と言っている。こんな疑問を表現するということ自体、2年後の豊太郎はエリスとの出会いを書いていて、強い疑念にかられてきたのである。

下世話な表現だが、一言で言えば、「エリスにカモられたトヨ」である。
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