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教育の職人のぶさんの、国語教育とカウンセリング(公認心理師)、グループワークとキャリア教育、長年鍛えた職人技をお目にかけます。
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第9段落 舞姫チェック

①トヨは、一週間後の昼過ぎ、大臣を見舞いに訪れた。(二、三日後の夕方、招待された)
②大臣の扱いは、冷たかった。(厚かった)
③その理由は、大臣がトヨの法学を評価したからである。(語学)
④もう一つの理由は、トヨのエリスと別れるという約束を、大臣が相沢から報告を受け たからである。○
⑤大臣は、一緒に帰国するように半ば強制的に伝えた。○
⑥トヨは、相沢との約束は嘘だったと言った。(言えなかった)
⑦断れば帰国や名誉回復の機会は二度となく、ベルリンでフリーターになると思った。○
 ★新聞社の仕事も正社員ではなく、定職につけずに非正規雇用が続くのであろう。今で言えば、まさしくフリーター。
⑧トヨは、一週間の猶予をもらった。(すぐに承諾した)
⑨トヨは、帰ってエリスに帰国することをキッバリと伝えようと決意した。(何と言おうか迷った)
⑩ホテルを出た時のトヨの気持ちは落ち着いていた。(錯乱していた)
⑪トヨは、すぐに家に帰った。(街をさまよった)
⑫トヨは、古い教会の近くのベンチに長時間座り込んでいた。(動物園)
⑬トヨは気がつくと外套や帽子は夜露に濡れていた。(雪が積もっていた)
⑭十時五十三分頃に再び歩き始め、〇時十七分頃にブランデンブルグ門に到着した。(十一時過ぎ、クロステル巷)
 ★0時一七分は「夜半を過ぎけん」とあるのでジャストかどうかわからないが○にしておいてもらおう。
⑮一月上旬の夜だったので、空には上弦の月が出ていた。(雪が降っていた)
 ★雪か降っているので月は出ていない。ちょっとした引っかけ。
⑯周囲の居酒屋や喫茶店はひっそりしていた。(賑わっていた)
⑰トヨの頭の中はエリスへの罪悪感でいっぱいだった。○
⑱トヨが家にたどりついた時、エリスはすでに寝ていた。(まだ起きていた)
⑲降りしきる雪の間に見えるエリスの家の窓の明かりは、まるでエリスの運命のようだった。○
 ★これは鑑賞の部類で、僕はとう解釈した。
⑳家に帰ったトヨに、エリスは「おかえりなさい」と言った。(あっ、その姿はどうしたのか)
21トヨの顔色は青白く死人のようで、髪は乱れ、服は汚れ破れていた。○
22トヨは帰宅と同時に、帰国を承知したことをエリスに伝えた。(倒れた)
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「舞姫」GO!GO!チェック

今日は、4クラスとも授業がある日なので、一斉に「舞姫」の映画を見た。そう、言わずと知れたヒロミGO主演の映画だ。100分の原作を50分に編集した。授業で30時間以上もかけている話を、たったの50分でやろうというのだから、展開の速さは戸惑うほどだ。キッチリストーリーが頭の中にあれば面白く見られる。また、当時はまだベルリンの壁があったので、東ドイツの映像は貴重であった。
鑑賞態度は、4クラスともそのクラスらしさが出ていて面白かった。
見ながら、小説との違いをチェックさせた。これは、今までのストーリーが頭に入っているかを整理するのには最適の方法である。
僕のチェックは次の通り。
1.出会いは教会の前ではなく、橋の上。
2.エリスは舞姫の募集に応募しようか悩んでいる。
3.豊太郎の下宿の地名が違う。
4.豊太郎は軍医で、医学を勉強するためにベルリンに来た。
5.いきなり抱き合って、初めから幼稚な関係とか清白な関係ではなかった。
6.帰国は命じられるが、免官ではない。免官は自分から申し立てる。
7.テロ組織と関わっているという設定。
8.母の手紙がない。というのは、母は自殺未遂生きているから。
9.離れ難い仲は、エリスの方から誘惑している。
11.ロシアではなくルール工業地帯であり、相沢から聞いて知っていた。
12.エリスに見送られて出張に出る。
13.手紙は少なくとも、3通以上来ていた。
14.どの手紙も「ディアートヨ」で始まっている。
15.豊太郎はドイツに3年いたことになる 
16.雪でなく雨が降ってきた。(予算の関係だろう)
17.相沢の名前が「健吉」になテロップになった。
18.豊太郎の昏睡状態は3~8日。
19.手切れ金や慰謝料を払っている。
20.発狂せず流産した。

豊太郎役が郷ヒロミなのは良いとして、エリスは詩人の筆があれば簡単にかけそうだし、でかくてがっしりしている。華奢ではない。これは明らかにニスキャスト。
豊太郎は3日以上寝ていたのに、髭が生えていない。
ラストシーンで流産した女性が全力疾走するのもヘン。
なんて、文句ばかり言っているが、生徒たちは真剣に見てくれた。授業の途中なので、今後の授業展開にはプラスになるだろう。
 
  
第8段落を深める

 豊太郎の意見を問うたり、笑い話をするのは、信用の証拠。しかし、豊太郎は気づかない。
 大臣から命令口調でロシア同行を打診され、初めて聞いて驚いたにもかかわらず反語で強く承知する。しかし、決断したのでなく、信頼している人の依頼はすぐに引き受ける癖がある。その結果、大臣の信用を得て再び出世するとか、エリスとしばらく別れて暮らさなければならないことまで頭が回らない。
 ロシアでは豊太郎は充実している。もし、エリスから毎日のように手紙が来なければエリスを忘れていたかもしれないと、正直に書いている。
 その豊太郎の運命を左右する3通目の手紙の中に、「大臣の君に重く用ゐられたまはば、我が路用はいかようにもなりなん」とある。豊太郎は出世の可能性に初めて気づく。エリスはさすがに気づいていた。しかし、日本に連れて行ってもらえると思っているのは甘い。
 大臣の信用を得た理由は、語学の才能が認められたからと、エリスと別れる約束を相沢が大臣に伝えていたから。エライことになった。
 この時から、豊太郎の頭の中は、帰国と出世で凝り固まる。しかし、ベルリンでエリスと再会した後は、エリスへの愛が強くなる。つまり、豊太郎は目の前のものに影響され易いのだ。
 一方、エリスは、「よもあだし名は名のらせまはじ」と子どもの認知を迫る。豊太郎の心中やいかん。
第8段落のチェック

①翻訳には3日かかった。(一夜)
②大臣は、次第にトヨの意見を聞いたり冗談を言って笑うようになった。 ○
③1週間後、大臣はトヨに数日後の佛蘭西への同行を打診した。(一カ月、明日、魯西亜)
④トヨは、その話を相沢から事前に聞いていなかった。○
⑤トヨは、その打診を予測したので、即座に断った。(予測していなかったが、引き受けた)
⑥トヨは、信頼している人に突然依頼された場合、あまり考えずに即座にOKを出して、後悔することがよくあった。○
⑦トヨは、翻訳代と旅費をエリスに渡した。(「旅費」を消す)
⑧エリスは、正式に新型インフルエンザと診断された。(妊娠)
 ★これは今年だけのネタ。
⑨エリスは、一週間しか休んでいないのに、休みが長引けばクビにすると宣告した。(一カ月)
⑩その厳しい処置は、エリスが相沢の愛人になることを断ったからである。(座頭)
⑪エリスは、トヨの愛を信じていたので、ロシア行きに不安を感じていなかった。○
⑫トヨは、停車場でエリスが泣くと困るので、エリスと母を知人の家にやり、一人で旅 立った。○
⑬トヨは、巴里絶頂の贅沢を尽くした魯西亜のペエテルブルグの宮殿で、得意の仏蘭西語で通訳の役目を忠実に果たした。○
⑭トヨは、この間すっかりエリスのことを忘れていた。(忘れることができなかった)
 ★「忘れざりき」ではなく、「え忘れざりき」とある。
⑮エリスの1通目の手紙は、一人で暮らすことの心細さが切々と書いてあった。○
⑯エリスの2通目の手紙は、「ディアー、トヨ」で始まっていた。(否)
 ★映画では「ディアートヨ(親愛なる豊太郎)」である。
⑰トヨは、日本に身寄りがないので、独逸で生活できるなら留まると言っていた。○
⑱エリスは、金の力でトヨを独逸につなぎ止めるつもりだと書いた。(愛)
⑲もしトヨが日本に帰るなら、母と付いていきたいが、飛行機代がないと書いてあった。(船)
⑳独逸でトヨが出世するのを期待していると書いてあった。○
21トヨが旅立って一カ月後、別れの寂しさは日増しに強くなると書いてあった。(二十日)
22食べ過ぎでお腹が大きくなったので、絶対絶対捨てないでと書いてあった。(妊娠)
23母はエリスの成長を見て、独逸の片田舎の親戚の所に身を寄せることになったと書いてあった。○
24相沢の信用を得たなら、エリスの旅費は出してくれるだろうと書いてあった。(大臣)
25トヨは、エリスの1通目の手紙で、初めて自分の地位に気づいた。(2通目)
26トヨの決断力は、順境で働いたが、逆境では働かなかった。○
27トヨは、大臣の信用が出世につながることを計算して、翻訳の仕事を忠実に果たした。(せずに)
28トヨは、自分の地位を知ってヤッターと思った。(冷静でいられなかった)
29相沢は、トヨが大臣の信用を得つつあることを知っていたが、公の事なので言うに言えず、ヒントを出していたが、トヨは気づかなかった。○
★「言葉の端々に「本国に帰りて後もともにかくてあらば云々と言ひ」とある。
30相沢は、トヨがエリスと別れると約束したことを、速攻で大臣に伝えていた。○
31トヨは、自我の目覚めが本物であることに気づいた。(偽物)
32トヨの自由を束縛していたのは、昔は母、今は相沢である。(官長、大臣)
33トヨがベルリンに帰ったのは、大晦日の夜である。(元旦の朝)
34エリスは、悲しみの余り、人目をはばからずトヨに抱きついた。(喜び)
35トヨは、エリスと再会する前は、望郷の念と出世欲の方が、愛情より強かった。○
36トヨは、エリスと再会した後も、望郷の念と出世欲は強かった。(消えた)
37エリスがトヨに喜んで見せたのは、白い木綿のハンカチーフだった。(おむつ)
 ★太田裕美の懐かしい歌である。
38エリスはトヨにお腹の子の認知を迫った。○
 ★「よもあだし名をば名のらせたまはじ」と言っている。
39エリスは、赤ん坊が教会で洗礼を受けることが悲しくて泣いていた。(うれしく)
第7段落を深める。

カイゼルホオフホテルに着いた豊太郎は、相沢に会うことを躊躇する。そりゃ、昔の超エリートが落ちぶれた姿を友に見られたくない。
豊太郎と相沢の昼食。
さすが親友。豊太郎が最近ようやく気づいた「弱き心」を、相沢は学生時代に見抜いていた。ただ、これをどう利用するか、それは相沢次第。
相沢は、豊太郎に、語学の才能を示して大臣の信用を得て出世しろと勧める。これは、一石三鳥。
一つ目は、豊太郎の才能を生かして再び出世のチャンスを与える、友情。
二つ目は、有能な人物を紹介した相沢の評判が上がる、利己。
三つ目は、直接推薦しなかったのは、大臣が豊太郎の免官の理由を知っているので、曲庇者と思われたくなかったから。公事に私情を持ち込むと思われたくなかった、保身。
さらに、エリスと別れろと忠告する。一つ目は、身分の差。二つ目は、スキャンダルが出世の邪魔になる。三つ目は、土壇場で弱い心がエリスを選ぶのではないかという危惧。
豊太郎は、エリスと別れる気はないが、弱い心で約束する。これも、相沢の計算か。
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