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教育の職人のぶさんの、国語教育とカウンセリング(公認心理師)、グループワークとキャリア教育、長年鍛えた職人技をお目にかけます。
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第8段落を深める

 豊太郎の意見を問うたり、笑い話をするのは、信用の証拠。しかし、豊太郎は気づかない。
 大臣から命令口調でロシア同行を打診され、初めて聞いて驚いたにもかかわらず反語で強く承知する。しかし、決断したのでなく、信頼している人の依頼はすぐに引き受ける癖がある。その結果、大臣の信用を得て再び出世するとか、エリスとしばらく別れて暮らさなければならないことまで頭が回らない。
 ロシアでは豊太郎は充実している。もし、エリスから毎日のように手紙が来なければエリスを忘れていたかもしれないと、正直に書いている。
 その豊太郎の運命を左右する3通目の手紙の中に、「大臣の君に重く用ゐられたまはば、我が路用はいかようにもなりなん」とある。豊太郎は出世の可能性に初めて気づく。エリスはさすがに気づいていた。しかし、日本に連れて行ってもらえると思っているのは甘い。
 大臣の信用を得た理由は、語学の才能が認められたからと、エリスと別れる約束を相沢が大臣に伝えていたから。エライことになった。
 この時から、豊太郎の頭の中は、帰国と出世で凝り固まる。しかし、ベルリンでエリスと再会した後は、エリスへの愛が強くなる。つまり、豊太郎は目の前のものに影響され易いのだ。
 一方、エリスは、「よもあだし名は名のらせまはじ」と子どもの認知を迫る。豊太郎の心中やいかん。
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