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教育の職人のぶさんの、国語教育とカウンセリング(公認心理師)、グループワークとキャリア教育、長年鍛えた職人技をお目にかけます。
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第5段落、免官と母の死を深く掘り下げる。

【Q1】「悪因」の悪い結果とは?
★免官。留学生や官長が悪いのだが、エリスが原因になったのは確か。
★母の死。エリスが殺したわけではないが、Q3と関連する。
★これらは、豊太郎にとっての悪い結果。豊太郎は身勝手な人間だが、これではあんまりだ。「悪因」とはエリスにとっての悪い結果もあるのではないか。後まで読めばわかるのだが、ここでは保留。

【Q2】なぜ、帰国か残留に悩んだのか?
★短絡的には、エリスのことと考えられる。しかし、離れがたい仲になったのは、悩んだ後。時間軸で考えればおかしい。
★豊太郎はこう書いている。
「このままにて郷に帰らば、学成らずして汚名を負ひたる身の浮かぶ瀬あらじ」(このまま日本に帰っても、学問も成就せず、免官になった不名誉は取り戻せず、出世の可能性はない)
「とどまらんには、学資を得べき手だてなし」(ドイツに残留しても、学問を続けるために学資を手に入れる手段がない)
★つまり、学問ができるかどうかである。豊太郎は学問大好き人間である。エリスのことが問題ではない。

【Q3】母の自筆の手紙の内容は?
★2年後に思い出しても涙が止まらないほど、ショッキングな内容である。
★「病気で死期が近づいたので、帰って来てほしい」とは200%ありえない。なぜなら、母の自分のすべてを犠牲にしてまで、太田家のために豊太郎に出世してもらうことを願っていた。
★母は豊太郎の免官を恐らく知っていた。相沢が官報で豊太郎の免官を知ったのだから、母も知っていたと考える事ができる。
★母が自筆の手紙を書いた後、母は死んだ。病気の重篤を知らせた後、死んでしまったのか。両者の間にもっと必然的な関係があるとすれば。そう、自筆の手紙は遺書で、母は遺書を書いた後自殺をした。
★「ご主人様、ご先祖様、申し訳ありません。私の育て方が悪かったせいで、豊太郎は免官になりました。この償いは私の命をもってさせていただきます」
★これは強烈である。自分が母を殺したのだと思えば、2年後どころか、一生豊太郎の心に鋭く刻まれるだろう。
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