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教育の職人のぶさんの、国語教育とカウンセリング(公認心理師)、グループワークとキャリア教育、長年鍛えた職人技をお目にかけます。
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授業で毎週、マークセンス式の問題集をしているのですが、
今日の漢文の問題は、今までで一番難しい問題でした。

そこで、やる前に、「今日の問題は今まで一番易しい問題です」と言って始めた。
解説の最初に、謝りました。
だますつもりはないけれど、暗示がどれぐらい効くか実験ですといって解説をした。

結果は、なんと今までで2番目に高い平均点で、満点の生徒もいました。
感想に、「だまされた、でも、簡単だと思ってやると案外良い点が取れるものだ。必要以上に苦手意識を持たないで臨む方がいいのかもしれない」というものが多かった。
勿論、暗示が効かず、いつものように点数の悪い生徒もいましたが、
何人かの生徒には効果があったようです。

思い込みというのは大きいですね。
でも、それをうまく利用すると、良い効果がでます。
「叱るより褒めろ」とは、まさにこのことですね。
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僕の授業の特徴の一つは、構成的な板書でした。
国語の先生の板書は、思いついたことを書くパターンが多いのですが、
僕の場合は、矢印を使ったり、囲みを入れたり、図示的な板書を心がけていました。
生徒の評判のまずまずなのですが、板書を写すことで満足してしまう生徒が増えてきたような気がしていました。
僕は、板書を使って説明しているつもりなのですが、生徒は板書をノートに写すことに多くの精力を使い切っているようなのです。

そこで、一考しました。
いま、「危険な共生」という評論をやっているのですが、これが、たいへん論理的なよい教材です。
思わず芸術的な板書をしたくなるような。
ここが我慢のしどころ。
第1段落は見本のつもりで、いつものように板書をするが、第2段落以降は板書をしないことを宣言。
第1段落で僕がどのような点に工夫して板書するかを見ておくように指示した。

そして、今日がその第2段落。
1ページ程度の範囲ですが、僕が構造がわかるような丁寧な質問を繰り返し、生徒が答えていく。
答えは、教科書に線をひいたり、ノートにメモしたり。
そして、10分ほど残したところで、講義は終わり、後は、ノートにまとめる時間にした。
それまでの授業をじっくり聞いて、自分がわかりやすいように、できれば人が見てもわかりやすいようにまとめさせる。

生徒は一生懸命やっていました。
僕にしては珍しくノートを回収しました。
どんなノートを作っているのか。千差万別、でもどのノートもポイントはしっかりとらえている。
よく理解しているように思いました。
僕の板書法を継承しているようなノートもあって、なかなか論理的に理解している跡が見受けられました。

良いノートを作らせるには、それまでの授業をわかりやすい、論理的なものにする必要はありますが、
生徒がもう一度自分の頭で考えて、再構築するので、理解がぐんと深まります。

FBタイム、フィードバック、ふりかえりの時間。
これまでの、今日の授業を、2人1組で振り返る。

席替えをした後、「新しい隣人と知り合いましょう」と言って、
横の人と2人組になって、
①1人1分、2人2分で、「舞姫」の第7段落までのあらすじを語る。
 1人目の人の途中から、2人目の人が引き継いで語り終わるように。
②1人30秒で、互いにここまでの感想を述べる。
③1人1分間で、互いに相手に質問する。

①はことがらとのコミュニケーション、②は自分の内面とのコミュニケーション、③は相手とのコミュニケーション。

教室は騒然となり、異様な盛り上がり状態。
あわてて、前後の戸を締め切って、隣の教室に迷惑にならないようにしました。

楽しくて、コミュニケーションの実習にもなって、短時間で、内容がよく理解できる。
一石四鳥の授業法です。

思い切ってやってよかったです。また、使えます。

 

 

金曜日のテストを月曜日に返す。

黒板に、平均点、高得点、提出物等点、赤点ラインを書く。
提出物点は、小テストや課題テストなどを含んだ点数。
解答用紙の得点欄の下に点数を書く。
このことで、提出物をださなあかんな、小テスト頑張らなあかんな、と数字で実感させる。

正解と一緒に返却する。
一言声をかけたり、表情でメッセージを伝える。

しばらく歓談の時間。
生徒は無邪気にテストを見せ合う。

問題を出させて、ポイントを説明する。
採点ミスを受け付ける。

最後に感想を書かせる。
授業やテストに対するクレームも可。
問題数が多いやら、記述問題が多いやら。
しかし、授業がわかりにくいというクレームはない。
素晴らしい授業をしているのか。
生徒が優しいのか。
クレームを書けば心証を悪くすると思っているのか。

そして、「捲土重来」と言う言葉を残して教室を出る。
問題演習で白洲正子の随筆をした。

定家が百人一首に紀貫之の歌を入れたことを取り上げ、感情豊かな業平を比較しながら、情趣を重んじる定家が、理知的な貫之の歌をよく取り上げたと書き、白洲自身は貫之に興味はないとバッサリ切り捨てるというないようのもの。

そんなことがあって、次の日、同僚の国語の先生に、舞姫の疑問を投げかけた。
矢継ぎ早に出す疑問に辟易されたのか、わたしはそんな批判的に読んだことはない。豊太郎は優しい、エリスは可憐な少女だと思います。とおっしゃった。

その時、この随筆を思い出した。

僕は貫之タイプだ。
いつも感情よりも理性が優先する。
それは人それぞれでいいのだが、少なくとも白洲正子からは興味を持たれない。
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